Bug #3267
closedBigDecimal/mathでatan()に1.08を入れると戻り値の有効桁数が足りない
Description
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2ch.net 上で報告があったので転載します。
Rubyについて Part 40
http://pc12.2ch.net/test/read.cgi/tech/1272248179/121-122
RubyのトランクのBigDecimal/math
atan()に1.08を入れると戻り値の有効桁数が足りない
return pi.div(neg ? -2 : 2, prec) if x.infinite?
return pi / (neg ? -4 : 4) if x.round(prec) == 1
- x = 1 / x if inv = x > 1
x = (-1 + sqrt(1 + x**2, prec))/x if dbl = x > 0.5
irb(main):004:0> BigDecimal("1")/BigDecimal("1.08")
=> #<BigDecimal:9940ce4,'0.9259259259 25926E0',16(24)>
irb(main):005:0> BigDecimal("1").div(BigDecimal("1.08"), 30)
=> #<BigDecimal:9957468,'0.9259259259 2592592592 5925925926E0',32(44)>
irb(main):006:0>
ここで桁数が足りなくなるのね。
分母と分子の有効桁数が少ないときに、出力の有効桁数の指定が無い場合は、
適当にちょんぎるのは、言語仕様的には、正解でありましょう。
1/3が来たら、メモリを全部使い切りました、では悲しい。
はい、
x = BigDecimal("1").div(x, prec)
で、なおります。
y = tan(atan(x, prec), prec)
で、ループを廻して、xとyの値を比較していてたら、たまたま発見しました。
あ、トランクにはtanはないのだけど、sinとcosの組み合わせで間に合わせました。
tanはパッと見、収束が遅いようなので後回し。
あと、expの絶対値が大きくなると、戻って来ないのよね。
exp(a*b+c) = exp(a)**b * exp(c)
を使うと、幸せになれるかも。(ん十倍の威力で)
んで、powerも全部の桁を計算してご苦労さんなんだが、integerではないのだから、そんなに気張らなくても..
とは、思います。
expと同じ要領でやると、実行速度がずいぶん速くなります。
(Rubyのコードからpowerをcallするんだが、それでもとても速い。
ソースを書き換える手もあるのだけど、コンパイルするのがめんどくさい。
そもそも、その手の労力を厭わない人は、こっちに来なくて良いでしょ)
logは、exponentが負の場合、
を書いてあるから、正で2桁以上の場合、を追加すると良いですね。
expとlogが実用範囲内になると、実数**実数が(実用的に)使えるようになります。
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Updated by mrkn (Kenta Murata) over 14 years ago
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むらたです。
On 2010/05/11, at 7:06, _ wanabe wrote:
RubyのトランクのBigDecimal/math
atan()に1.08を入れると戻り値の有効桁数が足りないreturn pi.div(neg ? -2 : 2, prec) if x.infinite?
return pi / (neg ? -4 : 4) if x.round(prec) == 1
- x = 1 / x if inv = x > 1
x = (-1 + sqrt(1 + x**2, prec))/x if dbl = x > 0.5
(snip)
はい、
x = BigDecimal("1").div(x, prec)
で、なおります。
これに関しては、以下の修正をコミットします。
バグだと思うので 1.9.2 のブランチにもマージします。
diff --git a/ext/bigdecimal/lib/bigdecimal/math.rb b/ext/bigdecimal/lib/bigdecimal/math.rb
index eeffde4..07efcbe 100644
--- a/ext/bigdecimal/lib/bigdecimal/math.rb
+++ b/ext/bigdecimal/lib/bigdecimal/math.rb
@@ -125,7 +125,7 @@ module BigMath
x = -x if neg = x < 0
return pi.div(neg ? -2 : 2, prec) if x.infinite?
return pi / (neg ? -4 : 4) if x.round(prec) == 1
- x = 1 / x if inv = x > 1
-
x = BigDecimal("1").div(x, prec) if inv = x > 1
x = (-1 + sqrt(1 + x**2, prec))/x if dbl = x > 0.5
n = prec + BigDecimal.double_fig
y = x
diff --git a/test/bigdecimal/test_bigmath.rb b/test/bigdecimal/test_bigmath.rb
index fbeb062..453c47e 100644
--- a/test/bigdecimal/test_bigmath.rb
+++ b/test/bigdecimal/test_bigmath.rb
@@ -57,6 +57,8 @@ class TestBigMath < Test::Unit::TestCase
assert_in_delta(Math::PI/4, atan(BigDecimal("1.0"), N))
assert_in_delta(Math::PI/6, atan(sqrt(BigDecimal("3.0"), N) / 3, N))
assert_in_delta(Math::PI/2, atan(PINF, N)) -
assert_equal(BigDecimal("0.823840753418636291769355073102514088959345624027952954058347023122539489"),
-
atan(BigDecimal("1.08"), 72).round(72), '[ruby-dev:41257]')
end
def test_exp
y = tan(atan(x, prec), prec)
で、ループを廻して、xとyの値を比較していてたら、たまたま発見しました。
あ、トランクにはtanはないのだけど、sinとcosの組み合わせで間に合わせました。
tanはパッと見、収束が遅いようなので後回し。
BigMath.tan の不在については、1.9.3 で導入できればやります。
これは、後ほど Feature チケットとして分離させます。
あと、expの絶対値が大きくなると、戻って来ないのよね。
exp(a*b+c) = exp(a)**b * exp(c)
を使うと、幸せになれるかも。(ん十倍の威力で)
これと
んで、powerも全部の桁を計算してご苦労さんなんだが、integerではないのだから、そんなに気張らなくても..
とは、思います。
expと同じ要領でやると、実行速度がずいぶん速くなります。
(Rubyのコードからpowerをcallするんだが、それでもとても速い。
これと
logは、exponentが負の場合、
を書いてあるから、正で2桁以上の場合、を追加すると良いですね。
expとlogが実用範囲内になると、実数**実数が(実用的に)使えるようになります。
これも、それぞれ独立の Feature チケットに分離し、
1.9.3 で改善することを目指します。
--
Kenta Murata
OpenPGP FP = FA26 35D7 4F98 3498 0810 E0D5 F213 966F E9EB 0BCC
本を書きました!!
『Ruby 逆引きレシピ』 http://www.amazon.co.jp/dp/4798119881/mrkn-22
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Updated by mrkn (Kenta Murata) over 14 years ago
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This issue was solved with changeset r27734.
_, thank you for reporting this issue.
Your contribution to Ruby is greatly appreciated.
May Ruby be with you.
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